Naoto Kimura

2017.12.17

「早く産みたいんです」言葉に隠された気遣いと次男の誕生エピソード

(長男の誕生エピソード)

2017 12/16 土曜日。

それは美容室にとって、年間で最も忙しいとされるであろう日だ。

現に昨日は私の店舗でも日のギネスを記録している。

私自身も12月という月には懸けているものもあり、美容師という職業を選ぶにあたって2代目である私も、両親の志というか、そういった美容師のコンセプトには共感して励んでいる。

それでいて昨日もピークの日で、自分の限界値まで仕事をし、家路につく。

もう、二子の出産間近である妻は食事の用意をし、出迎えてくれる。

近年では長男も小さい事もあり、家で食事をとる事がほとんどだが、長男は義母に預かっていただいている為、直近は外食を主にしていたが、昨日は外に出る気すらしないくらい疲弊していてやっとの思いで帰宅した。

我が家は鍋が好きで、相当数のバリエーションや器具がある。

木村家の家庭料理といえばこれってくらい。

食事をしていると、どうもソワソワする妻がいて、「どうしたの?」と聞くと…

「あれ?これ陣痛かも?」

とあっけらかんという妻。

寝てはいるが全然元気状態。

時間を計り出す。

「あ、ダメだわ」

と、準備をし出す。

経産婦(もう1人生んでいる)は陣痛周期が15分になったら病院に行くそうだ。それも調べていた。

子宮口の開きが早いんだそう。

前回の出産とは違い、病院もすぐ受け入れ。

初産の時は二度家に返された。

段々苦しそうになるが、まだまだ元気な妻。

普通にジャムパンを食べていた。

隣の分娩室からはものすごいいきみ声が聞こえてきていて驚く。

かなりの難産だそうな。

うちはなんとか出来るだけ苦しまないでほしいと願うばかりだった。

なんか、想像以上に早く進む。

長男は15hかかった。

なのでまだまだだろうと思っていたら、病院行って1時間後には「もうすぐですねー」と声かけられる。

病院に行った時には子宮口は7cm。

その時は8cm、陣痛も2分間隔になっていた。

ただ、そこからが無茶苦茶長い

そう、8cmから全く動かない。

陣痛にかなり苦しそうになってきている妻。

諸々試行錯誤するも、子宮口は開かない。

手を握ってほしい

そんなドラマティックな事を初めて言われた。

気持ちが安らぐから?

と、思いたいものだが単に「握りしめるものがほしい」のた。

強く握り、爪をたて、いきむのを耐える。

長男の出産時は力を込めて、お尻周りをタイミング見て押し続けていたが、それをやる事によって和らぐが、子宮口を開く妨げにもなる事もあったらしい。

今回は「耐える」出産にトライしているようだった。

本当になかなか8cmから進まない。

焦りや苦痛を感じ、色々試みる妻。

助産師さんが…

「落ち着いて。順調ですよ」

と、言ってくれた時に…

思わず僕が…

「彼女は早く産みたいんですよ」

と、伝えた。

何故そう思うか?に関しては助産師さんには言わなかったし、彼女も答えられる状態ではもちろんないのであれなのだが、僕にはわかっていた。

「12月のピークで私が消耗しているのを知っている」

からだろうと思った。

私を早く帰らせて寝かせたいのだ。

彼女はそういうタイプなのだ。

めちゃくちゃ疲れて帰ってきていて、仕事の話をしている最中での陣痛だったのでそう思うのも容易に想像できる。

僕は「いや、大丈夫だから。何も気にせずリラックス」

とだけ伝えた。

もちろんそういう隠れたお互いの思考はその現場にいる人たちにはわからない。

だが、私にはわかるのだ。

そういう人なんだ、この人はという事が。

そうしてまだ苦しみ続けるが、ようやく破水し、出産に及んだ。

やっと会えたね。

12.17 第二子誕生!

とーな君の弟誕生。

弟生まれたて

生まれてすぐママの所へ

こうして第二子が無事誕生した。

2017 12月17日 午前2時2分。

妻は安堵し、第一声目は…

「かわいい」

だった。

意外な言葉。

もちろん当たり前なんだが、もうちょっとネガティブな事を言うかな?ってくらい苦しんでいたのでいきなりそれっていうのに驚いた。

(ぶすっとした息子)

終わってみるとたった4時間しか経っていない

今回の出産は前回とうって変わって4時間しか経っていない。

とても早く、そして母子共に予後が良好な出産だった。

神の存在は信じていないが、何かに感謝したくなる。

そして、妻やお互いの両親。

そして長男の事を思い浮かべる。

次男は「奈白 (なしろ)」と名付けました

そうそう。次男は奈白と名付けました。

これは生まれる前からというか…

奈良の「奈」というのは妻、長男ともにつけられていて、1番は妻へのリスペクトの意味がある。

自分は「直人」というのだが、夫婦間では必ず「な」をつけようというルールから自分で決めさせてもらった。

もちろん画数や、診断はしていない。

全て自分のフィーリング、感性で決めている。

特には「漢字の並び、イントネーション」

というのを気にしていて、長男にしても「木村」という性に負けない呼びやすさ、国際的にどうか?などを重視した。

「木村遠奈」

形もどっしりしているし、和を感じる。

「木村奈白」

に関しても並びを重視している。

文字にした時のバランスや発生イントネーションなどを1番考えている。

妻にも言ってはいないが、「白」というのは妻をイメージしている。

彼女はまっさらな気持ちを持っている女性だと思っているからだ。

そういった部分のリスペクトが反映された名前で考えていて、男子でも女子でもそう名付けようと思っていた。

こういうのを残すにあたって

本当に良い時代だと思う。

こうして文章や、その時思った感情を記す事ができる。

息子たちが大きくなった時にこういうページを開き、父や母が何を思っていたのか?

何か感じられるものになってくれていると嬉しい。

まずはとにかく健康に。

そして3人を必ず幸せにしたいと思う。

 

 

そして息子達には如何に妻が見えない気遣いができ、皆を支えてくれていて、僕がリスペクトして人生を共にしたいと思ったか語っていきたいと思う。

 

本当にありがとう。

Category : コラム