Naoto Kimura

2015.10.24

【市販カラー剤でのトラブルがニュースに!】とはいえ、ダメといっても元も子もないので対策を挙げておく。

毛染めで皮膚トラブル相次ぐ 定期的なパッチテストが必要

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20151023-00000478-fnn-soci

ああ…。

こういったニュースに…

市販カラー剤。ダメということはないが相性があると思う。

市販のカラー剤。現在はかなり良くなってきていると思うが、まずは考えて欲しい。

なぜ”市販”できるのか?

なぜ”市販”という形にできるのか?というメカニズムを考えると容易にわかることもある。

「誰が、どんな髪質の人が使っても一定の効果が期待できるというパワーがあるから市販できる」

マイルド処方にしていると、髪質の違いで全く色が出なかったりする。そうなると市販されている意味はない。

なので、薬剤のパワー設定は高めに設定されていると思う。

と、いうことは「傷みやすい」人には当然強烈。

「色が出やすい」って人には思ったより色が出るなどのトラブルも想定されるという事。

いつも沁みなかったのに、突然沁みたりかぶれが出る事がある。

これは市販に限らずよくあるケースで、沁みる沁みないは体調にも左右される。

生理中や寝不足だったりした方に多かったりっていうのは、女性のセンシティブな頭皮、ホルモンバランスによっても左右されるという事。

市販の場合はパワーコントロールのしようがない。(厳密に言えばあるけど、どのブランドでどの様に使うか?によって変わってしまう)

「前回沁みなかったのに」と、同じカラー剤でもおっしゃる方は多い。

突然アレルギーがおこって、かぶれに繋がる方もいる。

それは頭に入れといた方がいいでしょう。

美容室でカラーする1番のメリットは”パワーコントロール”と、”圧倒的な処方数”

美容室でカラーするというのは数多のカラー剤からパワーをコントロールしながらその人にベストのカラー剤を選択する事。

そして、「かぶれ、痛み」に対しても敏感にセレクトを変えていくという事。

出来るだけ、その方の頭皮にあう(例えば前回沁みたなどあればブランドを変えてみるとか)、髪質にあうものをセレクトするのも仕事。

かといって、市販使わないと…

そう、頻繁に美容室に行けない。

予算問題、時間問題。

白髪がちょっと伸びただけで気になる。

そんな方は致し方ないケースもあるのでちょっとしたポイントだけ記述しておく。

・とにかく自分で塗らず、友人や家族に塗ってもらう。

自分でやる場合、どうしても地肌からいかないと正確には塗れない。

よって、「人に頼む」というのは非常に効果的。

家族、友人、恋人。そういった方にできるだけ地肌につかない様に。そして後ろは特に塗りにくいので人にやってもらうのが最もリスクが少ないと言えるでしょう。

ある意味、コミニケーションとしてもいいかもですよ。(美容師だと割とあり得る事例だと思う)

・一気に塗らない。3段階に分ける。

基本的に全部を一発で塗り切らない方がダメージ軽減やムラにもなりにくいでしょう。

おそらく、パワー強いのでそれを毎回一発で毛先まで塗りまくると毛先のダメージは深刻です。

「根元塗って5分→真ん中塗って5分→毛先塗って…あんま置かないで流す」

こんな感じに分けるとダメージや、毛先の方にだけ色が入りやすい現象を食い止められます。

*面倒であれば毛先にトリートメントを塗り込んでおく(ちょい裏テク)

「分けるのめんどくせえ…」って方はしょうがない。

痛みが気になる部分にトリートメントを塗り込んでおき、上からカラー剤を塗りましょう。パワーはダウンします。

分けるのが面倒くさい。んでも毛先まで塗らないと市販の場合、色が揃わないでしょう。

そんな時は毛先にトリートメントなどを塗っておくと、減力(カラー剤本来のパワーがダウンし、そこまで浸透しない状態に)するでしょう。

トリートメントは普段お使いのシャンプートリートメントのトリートメントでオーケーです。

・できるだけクシを使う。特に泡カラーは地肌からやりすぎない。

最近では、ムラになりにくい”泡カラー”なるものも多く発売されていますが、確かに有効です。

ですが、使い方…すなわち…

「もみこみながら塗るんだけど、ある程度全体に浸透したら、地肌をもみこみまくらないでクシで梳かす様にしてできるだけ頭皮は触らない事」

考えてみてください。

傷口に塩を塗り続けている様なものです。

ヤフーニュースに挙げられている…

「頭皮、首のかぶれ」などはこの種別のカラー剤なのでは?と推測しています。

もみこみまくって、流れて首についたりっていうのでおこっている可能性が考えられます。

ある程度塗ったらクシで髪を梳かす様にシフトしましょう。

・もしや”私、髪細い?”そんな貴女は?

髪が細めの貴女。完全に市販カラーだと色が出まくります。(パワー的に)

なので予め、髪を濡らした状態で塗る様にするのも効果的です。

特に、普通にシャンプーして、トリートメントをつけ、流しすぎない状態で塗るなどするとパワーを減力でき、それでいて…

絡ませてダメージに繋がる事が少ないです。

細毛の方は乾いた状態で塗ると、カラー剤の重みで絡まり、それがダメージになっている方も多いはず。

そういった対策をたてるのも必要でしょう。

・白髪用マスカラなどでしのぐ

ちょっとした白髪が気になってしまうのはとてもよくわかります。そんな時は白髪用マスカラなどを使ってもよいかと思います。リスクは少ないでしょう。

・使ってる市販カラー剤のブランドを美容師に見せる

美容師さんは決して勧めはしないと思いますが、それぞれ事情がある事は分かっておられるだろうと思います。

1度そのカラー剤のブランドを見せてみる(ホームページなどでも)、そして適切な使用方法を指導してもらうのもとても効果的と思います。

僕はもちろん勧めはしませんが、事情を考慮して、適切なサイクルや使用方法は言われればご説明したいと思います。(それは美容師によるかもしれません。ですが、勇気出して聞いてみるのもよいかと思います。)

と、「全部、市販はダメといっても元も子もないので考えられる対策を幾つか挙げておきます」

と、ここまで書いといて言うけど特に勧めはしませんよw

当たり前ですが美容師です。

自分の腕にも知識にも誇りとプライドがあります。

ただ、ニュースになる程にトラブルが起きている事も現実で、それに対して否定だけで建設的意見を述べられないってのも違うと思っています。

より良い使用方法を考える方が消費者に優しいと思っていますし、効果的に使用すればよい事も事実です。

我々はその方の髪を見て判断し、適切なものを選ぶという事が最大のスキルであり、「髪の毛の医師」の様なものです。

そういった知識から選択され、スキルを用いて提供するヘアカラーには絶対の自信をもっています。

そういった意味では「市販?全然ダメでしょ」と美容師が言うのではなく、「市販のものを散々使ってきたけど、やはり美容室のヘアカラーが安心でキレイ」とお客様サイドに言わせられる様に日々研鑽を積まねばならない。と考えています。

なんにせよ、現在、市販カラー剤が違法のものでもなく、市場に流通している以上、お客様になり得る方々にできるだけリスクの少ない手法も提示してあげる事もこれまた使命なのかな?と…

できるだけトラブルなく、健やかで快適なヘアライフが送れます様に…

Category : ヘアケア