Naoto Kimura

2016.6.16

美容業界用語だらけの桃太郎

昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが美容師免許を取得しようしていました。

おじいさんが山へオールパーパスしに、おばあさんは川へフィンガーウェーブに行くと、川上から毛量が多くてフィンガーウェーブしやすい大きな桃が濡れた状態で流れてきました。

「こんなコーミングしやすい桃はみたことがない。高級なローションをつけ家で寝かし何度か繰り返して一発合格しよう」

持ち帰った桃を水スプレーで濡らしブロッキングをとってみると、中から大きな赤ん坊が出てきて「15分60本!」と喋りだしました。

「この子は国家試験規則に従って”100ルクス太郎”とネーミングしましょう」

すくすくとワインディングをクリアした桃太郎はある日、おじいさんとおばあさんに毛先巻きをしました。

「ここまで僕をオンタイムにさせてくださり、ありがとうございます。鬼ヶ島へシリコン残留を退治しに全力でジョイを勧めてきます!」

”炭酸泉”というアイテムを与えられた桃太郎は【シャンプーは美容室で買え!】と書かれた店内POPと黒板にチョークを身につけて、シリコン退治へのオーガニック素材探しの一歩を踏み出しました。

桃太郎がサロンオープン準備していると、イヌという動物に出会いました。

「僕は美容室で飼われてはいけないので外に同行します。」

桃太郎がボックスレイヤーをブラさない様に垂直に引き出しながら歩いていると向こうからサルがシリコームを送りつけてきました。

「きび団子というウィッグスタンドをくれたらカリキュラムを一個進ませます。」

桃太郎がブローに苦戦していると、向こうからキジがドライヤーに乗ってやってきました。

「きび団子というマイナスイオンをくれたら僕が髪の毛をオーバードライから防ぎます」

桃太郎は数々の人頭カットを乗り越え、ディレクターチェックまで進み、鬼ヶ島まで営業時間押さないでこれる様になりました。

桃太郎は鬼達の座する圧迫面接でこう志望動機を話しました。

「御社に入社できたなら日本一有名なヘアサロンにします」

桃太郎達のスキルは15分60本!、肘をブラさないカット、ノーオーバードライで創作に入りました。

イヌはそのするどい牙で、鬼の腕に貯金を。

サルはそのするどいツメで、鬼の顔面を「ウィッグは人間と同じ様に」とフェイスブラシを。

キジはそのクチバシで、鬼の眼球に尖ったデザインを。

「うわあ、まいった。君が独立する時にはフランチャイズにする〜。どうか5%にさせてくれえ」

鬼達から業界誌を取り返した桃太郎達は、いつまでも幸せにJHAファイナリストになりましたとさ。

【元記事】

「IT用語だらけの桃太郎」

【ブログオムより転載】

Category : コラム