2017.1.26
僕が男性を積極的には担当しない理由
ふぅ。
割と何度か書いているのですが、未だ言われる事が多いので。
カリスマ美容師(10年後) on Twitter
@atsutoshi00 @air_kimura 木村先生や宮村先生など究極のカリスマはなぜ男性は切らないのでしょうか?
宮村さん(アフロートCEO 宮村浩気さん)はわからないので全く関係ないものとお心得ください。
数年前から美容師の来店が激増して”既存顧客”から予約が取りにくいと相談を受けた
僕の美容師スタンスとしては「顧客第一主義」でして、「全てお客さんだろ!」っていうのはもちろんですが、ヘアスタイル作りの考え方が「長期目線、生涯顧客」というのを根本に考えていて、全国の美容師さんがいらしていただくのは非常にありがたいのですが、大概の方は「様子見、木村さんに会いたい」という理由がメインであり、優先するにあたっては当然「普段から通っていただいている方が来店しやすくする」というのは使命であり、基本毎日予約欄を埋めきる事はせず、昔から来店してくださってる方が当日、気軽に来店しやすい様な体制を整えています。
火曜日は定休日ですが、月曜の来店は多い方で、美容師さんになると基本、月、火の来店が多いとは思いますが、そういった中でもそういうご指摘を受けた事もあり、体制を見直し、現在に至っています。
そもそも何の為に美容師をやっているか?
これは様々な考え方もあるでしょうし、その全てにおいて否定するものではなく、単に自分のポリシーです。
「僕は女性を美しく、そして自分の芸術として存在させる為に美容師になった」
のです。
自分が作り出すヘアスタイルによって彩られ、生活が好転したり、また違った運命にも出会えたり…
そんな事が女性の髪型から繰り出されたりすること。
そんな夢を持ちながらこの世界に入ったのです。
そして、僕自身、男性です。
が、しかし、僕は自分の容姿に全く興味がない。
差別をするわけではありませんが、そもそも「自分の容姿に興味がない人が男性をかっこよくできるはずはありません」
そういう事です。
友人や紹介の方は担当させていただくのは…
そういう自分の感性に近しい人だという事です。
「あー。もー。髪うぜー。スパッときりてー」
「ワックスつけたくねー。だりー」
「カラーとかしたくないんだよね。めんどい」
「にいちゃん!パパッとやってくんな。時間ないんだよね」
そんな感じのキーワードが当てはまる方は僕に合ってると思います。
自分の男性像がそうだからです。
黒髪一本。
バサっとで終わり。
服?なんでもいーわ。
僕はこういうmen’sなわけです。
僕はあくまで「裏方」という感性であり、女性というカンバスに絵を描いている画家みたいなものであって。
描いてる人自体は絵の具だらけで汚れてまっせ。
そんな立ち位置。
んでも技術を磨けばいい絵は描ける。
そんな風に思っています。
あと、大体感性にそぐわない方はメニューをお断りしなくてはならないので、それならそもそも合う美容師さんはいますから僕じゃなくてもいいでしょう。という事。
偏屈なんですよね。
こういった事からビジネス重視ではないという事はお分かりいただけるかと思うのですが、ビジネス自体は好きです。あしからず。
なんでやらないの?という疑問が出る事が疑問
「なぜ男性はやらないのか?」そういった質問が後を絶ちませんが、その方が疑問であって…
「なぜそんなに執着するのか…」
と逆に思ってしまいます。
男性を得意としている美容師さんは沢山いますし、合うところに行くべきだと思います。
これは既存顧客に関しても同様の価値観です。
「その時の気分」
が大事だと思っているので、ずっと通いたいお客様は来てくださるでしょうし…
「たまに気分変えたい」
と言われて別のサロンにいって再度来店なさったときは…
「おー。いいですねぇー。」
と普段通りです。
そんな感性で仕事をしていて、「ふざけてんな!」と思われるかもですが、それでもサロンのトップクラスには必ずいます。
僕が間違っているのなら必然的に淘汰されるでしょうし、結果という評価は絶対にされない。
僕は自由に美容師をやりたいし、そうやって作られるものに独自性もある意味サービスも含ませたものを提供している。
なぜやらないのか?
と言われたら「なんでやらなきゃいけないの?」
となる。
そういう質問をされることも不可解だと思ってしまうわけです。
やりたい事をやればいいじゃないよ。と…
無理して教わった事や、歩んで来た事を肯定するが故にそういう質問に至ってはいないでしょうか?
大体の美容師さんがそうだから全員というわけではないという事です。
タメになると思っていない
これは美容師さん限定になる話なのですが、僕は「(単なる)ヘアスタイルを作る人」であって、その僕自体を見ても意味はない。
勉強の為に来店していただくって理由がかなり大きいと思うのですが、それはどちらかというと「作るヘアスタイルにフォーカスしている」わけではなく、自分という生き方や振る舞いの方を見ている。
それが悪いというわけではないが、本懐ではないという事です。
作った髪よりも一緒に写真を撮る事に目的を置かれている気がして。
美容師さんと一緒に写真を撮る事自体は全然嫌ではないですが、まずどうせ撮るなら自分の髪をとってほしい。
僕は美容師であって髪型を売って生活しているわけであって、1番はご自身の髪なわけだ。
セミナーなどでもそういう事は多いが、それを撮ったら例えばその人が上手くなるのならいくらでもする。
逆にそれをやってしまう感性であるが故に、その人の伸びを制御してしまう事もあるという事(そういう感性じゃない方が、実サロンワークで支持を受けやすいのでは?と)
こういった様々な経緯から僕は男性のご予約を制限させていただいている。
友人、顧客のご紹介の方はもちろん担当させていただいてます。
が、基本的に自分の感性に合わない方はいらっしゃらない。
こういうスタンスでいると結果、必然的に自分の感性と近い方しかいらっしゃる事はない。
ネットなどでも「全員ウエルカム!」と言っていたら僕はもっと忙しい美容師になれたのかもしれないが、そうする事で逆に「自分のめちゃくちゃ大事にしているもの」を捨てなければならない瞬間もあるのかもしれない。
普段からこういう事を書いているが故に「興味」をもってもらえて「会いたい」と思ってくれる男性は非常にありがたい。
だが、しかし、「会いたい」ではなく「やっぱ木村さんの作る髪が好きなんだよね」という部分がフォーカスされる様に私はなりたいのです。
air 自体が男性お断りというわけではなく、全くもって私のエゴなだけです。
こういう風に書いてしまう事で全体にそういうイメージがついてしまうのを配慮し、あまり核心についた事は言ってこなかったわけです。
そっとしておいていただけるとありがたく思います。
ただ、近年の美容事情においては、本当に特化したものが強い時代になっていて、僕自身もそもそもそういうスタンスであった事が功を奏しているだけなのかもしれない。
間違っていたら必然的に僕は支持をされない美容師になり、そのまま穏やかに終わりを迎える。
ただ、間違っていると判断したらすぐさま自分は変える。
ただ、今はそういう感じが1番ベストなのだと思うから。
Category : コラム