2017.10.3
今を必死に生きる
先日、自分がまだそんな雑誌などでも掲載される事なく、また、全く技術に自信もなければ(それはいまもですが…)、ただただ、見せられるのは熱意と気遣いだけでしかなかった20代中盤。
早期から…
「ヘアスタイル撮影してよ」
と、レギュラーでチャンスをくださり、自分に活力、ひいては毎月の様に呼んでくださり、また何ページにも渡って特集してくださったり…
多大なるご好意を頂いていた方の訃報を聞いた。
まさに写真のひまわりの様に明るい方だった。
最初は「キムー!」なんて気さくに呼んでくださっていたが、年を経るごとに、敬称も変わり「木村さん」と呼ばれる様になり、立場やキャリアで仕事の在り方まで気をつかってくれる。
そんな方だった。
数年前からカラーを担当させていただいていて、カットは先輩が担当させていただいていた。
ある日ぱったり、訪れなくなり、雑誌の仕事からも離れていた自分は「そういう付き合いもあって、元気にやられているのだろう」とばかり思っていた。
後から聞いた事だが、闘病されていたらしい。
まぁ、基本的にその様な事は軽はずみにいうものではないので知らなくても仕方ない事だと思うのだが、突然きたLINEに、何度読んでも信じる事は出来なかった。
電話やLINEで伝えればいいものも、その場から駆け出し、先輩の店に急いで伝えにいった。
僕も先輩も大変お世話になった方だった。
僕と1つ2つ程度しか年も変わらず、ビューティ雑誌を手がけていた事から、肌も美しく、髪の毛も綺麗で染めやすく、たったの1年2年お会いしなかった程度で他界するなど全くもって考えられなかった。
もちろんそんな深くは追及できないので詳しくはわからないが、婦人科系の癌だったというのは人づてに聞いた。
帰ってからも呆然として、妻には定期的に健診に行くように勧めた。
難しいかもしれないが、本当に皆、万が一の事を考えて定期健診には行くべきなのだろうと思う。(これは本当に自戒も込めて)
その方の訃報を聞き、改めて自分の人生を振り返ると本当に自分は1人では何もできない未熟者であり、その全ては「チャンスを与えてくれる人がいた」というところに帰結する。
もちろん感謝を述べようにももう伝える事もできない。
今一度謙虚に、また、ひたむきに生きるという事を再度教えていただいた様な…
そんな気持ち。
ただ、もう伝える事はできないが、こうして文章に残す事はできる。
「本当にありがとうございました。貴女のお陰で今があります」
と…
何もできる事はないが、この仕事をやっている以上、遺児の近況なども伺い知るチャンスもあるだろう。
もし、また大きくなった時にお母さんの話ができる事も期待しつつ。
また必死に生きていこうと。
若くして罹患される方も増えております。
皆様も充分にお気をつけて。
Category : コラム