Naoto Kimura

2016.8.3

何故みな”集客”に悩み、”自己ブランディング”というキーワードに動かされてゆくのか

未だセミナーや取材依頼の多くは…

「自己ブランディング」や「SNS活用術」みたいなキーワードが多くあってげんなりしています。

「まだそんな事を言っているのか…」

とある種、絶望感に駆られ、業界的時の流れ方のズレを憂いています。

ひいては多くの美容師さんの悩みを聞くことがあり、その悩みの多くは…

「集客」

だという。

厳密には「売り上げの上がらなさからの収入」というところに対する想いがあるにせよ、解決論でいえば「集客」という事になるだろう。

簡単な話

「ブランディングしようと思ってできるものでもなく、集客しようと思ってできるものでもない」

ちゃんと考えればわかることの様に思う。

そう、大体の人が…

「的がズレて」いるわけだ。

上記の事が出来ている人に関してはおそらく…

「何も狙っていない。」

という言葉が適切だろう。

多分、有名になろうとか、よーし!客とったるでー!という発想を持って行動を起こしたというわけではない。

勝手な分析になるが、依頼を受けている人の名前リストを拝見した。

・ある美容師さんは自分のオシャレを追求した。とにかくカッコよく、オシャレが楽しく、それを提供している。

・ある女性美容師さんは、美容師である事がそもそも楽しく、幸せであり、普段からSNSに表現されているものは人生そのもので裏表もない。ただその幸せを表現しているだけ。

・ある美容師さんは多分、誰のヘアスタイルとかって事ではなく、全身で表現したり、メイクを取り入れたり…キャッチーなネーミングまで含めてトータルでディレクションするのが好きだった。ただ全体の表現を追求した。

・ある美容師さんは”音楽好き”が興じてDJも兼ね、趣味と仕事を両立させる事を確立した。そして過去のコンプレックスからか、本格派なデザイナーとしての道を極めに入り表現を続けている人。

・ある美容師さんは野望に燃え、男性市場の中で誰よりも勢いをもたらし、全体に波及するほどのパワーを解放した。まるで今まで押さえつけられていたパワーを解放する様に。

僕はそんな感じの解釈をしている。

他の人の例を挙げると…

・くせ毛に向き合う美容師さんがいなかったから追求した

・写真がとにかく好きなんだ。それも突き詰めて表現したい

そんな人もいる。

まっこと正論だと感服する。

「そこに”集客”とか”自己ブランディング”」というキーワードは1ミリも入っていない。

ただ、自分のやりたい事を時代(現代)に合わせて表現しているだけに過ぎないのだ。

ちなみに自分の事を語らせてもらうと結局のところ…

「人の役に立つ」

というところが最終目的地だったんだろうと思う。

そもそもネットを始めた論理がそれだったからだ。

なので僕はそういう風な教え方をしている。

色んな事の順番が違う様に思う

上記の様に、集客や自己ブランディングといったキーワードは先頭ワードではなく、まず…

「何を表現したいんや?貴方は」

というところが大事なんだと思う。

その気持ちの強さがなければそのキーワードをコンプリートする事はまずできない。

先にそれがくるのではなく、後に勝手に付いてくるものなのだ。

もはや場所も関係なければ、技術でどうこうという時代でもない。

ただ単純に…

「美容師の自己表現とは?」

という時代に来ているのだ。

やりたいことをやっていい。

集客なんて後でいい。

ブランディングなんてしなくていい。

ただ、自分のやりたい事を真っ直ぐに。

そして誰も想像しない様な。

そして、色んな人がそのやった事の結果に共感する様な…

ただそれだけでいいわけだ。

なのでまずは…

「自分はなんで美容師になったんや?」

という事を見つめなおしてみるのが1番いいだろう。

貴方の理由は貴方のものでしかない。

他の人と同じだなんてありえない。

ただ、それを突き詰めていった結果、支持をしてくれる方がかならず出てくるだろう。

だってこんなにもたくさんの人間が生活しているのだから。

大きく物事考えるよりは、表現していった結果…

1人、また1人と「髪を切って欲しいんです」という人が増えればそれで良い。

僕のネットの使い方は…

「別に多くの人にではなくて、お客様に手紙を書く様に」

という風に伝える様にしている。

本当にそういう文体だと思っている(自分では)

なので…

集客や自己ブランディングというキーワードで悩んだり、振り回されるのは惜しい

一度忘れてみて、本当に自分の好きな事を追求してみてはどうだろうか?

きっと後からこういった”オールドワード”が正に後追いで付いてくるのではないでしょうか。

表現を大切に。

Category : コラム