Naoto Kimura

2017.11.11

【本当に美容師には独立しかないのか?】自分に問いを投げて切り開き、形にしてみようとしている話

木村さん、独立しないの?

これは美容師問わず会う人会う人に必ずといっていいほど投げかけられる言葉。

もう何回聞いたかな。

ぶっちゃけ、全く興味がゼロというわけではなく、「あー。自由にやってみてぇ!」みたいな感覚は少なからずあり、ただ、その度に自分を振り返ってみて「どうか?」と問いを投げてみる。

はっきり言って自信がないわけではない。

むしろ得意なジャンルだと思うし、それなりに業界に対してインパクトをもたらすアクションも難しい事ではないと思っている。

果たしてそれがベストの答えなのだろうか?

私は今の会社で12年過ごしてきた。

いつも思うことは…

「自分が成長を実感した瞬間は必ず自分が嫌だなぁ。と感じた事をやってみて結果に結びつけた時だった」

ということだ。

確かに私は独立をした事がない。

なので経営すらもやってみてから答えを出すのが適切だというのが本道だろうが、実は経営をやっていないわけでもなかった。

詳しくは語らないが、他にもあったという事だ。

もちろん公表はしていない。

なので、結果論としていえば実質独立と変わらない事もしていたという事であり、経験という部分に関しては全くもって無知であるというわけではない。

組織であるから叶うを模索する

では、独立しないでどの様な所に自己メリットを感じたりしていけば良いのだろうか?

「やっている事はどこにいても変わらない。ただたった1つ違う事それは“人”

美容師はとにかく「人」であると言う人は多いと思うが、実際はどうだろうか?

その考えている「人」と言う目線はお客様や下の子であったりとか、割と居心地を重視した表現に見えてしまう事もあって、目線を「上」に向けた事はあるだろうか?

私は過去を省みた時に、「ああ、自分がどうだったからこうなったのか?」と考えると、「基本的に上がいなければそうはなれなかった」という自己分析をしていて、環境そのものがなければ今の感性に至っていなかったと考えるのだ。

従って、組織的ピラミッドに関しても有用性を感じていて、自分がその頂である必要もなく、ひいては己単体で出せるパワーよりも、すでに大きく、また多くの人材が揃っているという事は非常にメリットでもあると考えるのだ。

組織であるからこそできる事。

そういった部分を考えた時により大きい事も叶う可能性が高いとも思っているのだ。

自分のやりたい事は会社に所属していると叶わないのか?

そういう見解に至った。

「組織を抜ける事なく、やりたい事が出来ればいい」

言うのは簡単だが、とても難しい。

まず、第1に「信頼度」というものを考えた。

事業は全力でやる。必ず結果にする。

自分からコミニケーションを取りにゆく、返信は我先にし、きちんと自分の意見を述べる。

やった事はこれだけ。

ただ、この数年間だけでも役職は大きく変わった。

それだけ、アピールし、実績が伴えば必ず評価をする会社なのだ。

そういう実感を得た。

特に目標がない

これもよく答える事なんだか、美容師としての目標は達成しきってしまっていて、特に目指したいものがない。

もちろん髪を作る事は好きだし、お客様も好きだ。

それは変わらないが、ある種、虚無感に襲われる事もしばしばだった。

じゃあどうするんだろう。私は。

組織に残り、やりたい事を模索し、目標が無い状態で私はむしろここにいていいのだろうか?と考える様になった。

同時に、当時付いてくれていたアシスタントを失った事も絡まって、自分の中では悶々としたものが出るようになった。

組織にいながら出来る事、そして未来を作る事

思い立って社長に全て相談した。

企画書と事業計画を作成し、色んな事を相談した。

もちろん自分が、美容師という部分に対して見失っているものがあるという事も含めて。

全役員にも一人一人時間を取ってもらって話した。

こういうのは全て段取りが大事だと思うからだ。

大人数になると、少なからず意思疎通がぶれる。

自分のきちんとした想いを話し、温度を感じてもらうのも大切だと思うからだ。

よく、オンラインサロンでメンバーにも口酸っぱく言うが…

美容師の場合、良くも悪くも口約束や口頭ベースでカジュアルにこういったやりとりが行われる事が多い様に思うが、普通に社会では通じない事例だと思う。

きちんと紙(スライド)ベースに落とし、必ず何案かの選択肢を用意する。

自分だけにメリットがあるようなものは当然印象もよくない。

大事なのは「自分、会社、仲間」なのであって、それのどこも損なわないものを一緒に作っていかなければ始まらない。

美容室を退社する時に一悶着あるケースはよく耳にするが、そのどこかが欠けていた部分はなかったかどうか?

そういう事を考える事も大事だと思う。

なぜかというとそういう感性だと結局、自分に返ってくるからである。

100%会社が悪いと誰もが思ったとしても、自分の落ち度を探した方が成長はないだろうか?

そんな事も考える。

そういった気持ちまでも伝え、社長も共に考えてくれた。

自分が考えた案は3つ

やり方として詳しくは述べないが、自分の進むべき道、やりたい事も踏まえた上で長く会社にも貢献できる方法。

基本は距離で考えて、どういう資本の動きで会社の方にもメリットを出せるか?というのでプランを練った。

ここで仕事をしながら自由に生きる。

そういった理想を形にする事は下の子の在り方にも必ず功を奏する部分もあるはずだ。

そう信じながら…

と、いう事で社内起業という形をとることになると思う

まだ、調整中ではあるがそういった形で来年をめどに動いていきたいと思う。

ゼロになるより、今を活かしながら全体に対してメリットを創出する。

筆頭株主は会社がいい。

むしろ、お世話になった上司には株を持ってもらいたい。

ただ、自分も身動きが取りやすくなり、色んな事業や他に誘われていた案件でやりたかった事。

ネットにまつわる事。

フィールドを大きくする事ができる。

そしてそれでいて社員とも向き合うポジションを取る事もできれば、助ける事もできる。

自分の思っていた全ての部分に対して目を配ったものを。という目標。

それなりには固められたのではないか?と思う。

そしてこれは全く揉める事もなくまとまった。

むしろ沢山の助言を得て、信頼度は益々高まったくらいだ。

なので、まだ私はこの会社と共に生きてゆく。

そしてまた新たな目標を得ながら、美容師も続け、本質的に美容師を楽しめる様になるのではないか?

そんな風に思っている。

どちらかというとこれは社員の為に書いている。

「この会社でやれないという事はない」

と…

ただ、それを実現させていくにはとてつもないパワーが必要であり、結果で示していくという必要性は必ずある。

と、いうかそんなパワーなくしてあっさり独立してみても上手くいくはずがない。

出るにも残るにも必ずパワーは必要なのだ。

美容師の働き方改革が叫ばれている今日。

裏を返してみればそれに抗うパワーがこの業界に足りていない部分も必ずどこかにあるのではないだろうか?

そんな事を思いながら、また一歩前進できる材料をもらい、全力で年末に備えています。

いい仕事ができそうだよ。今年も。

ちなみに会社の名前。

そんな想いを込めた名前を検討しているが、それはまた後の記事にとっておこう。

終わり。

Category : コラム