Naoto Kimura

2015.3.27

【髪質】に合わせてジャストにカラー剤を用意できるというシンプルな才能。

美容室に溢れんばかりの種類の箱が。

誰もが見たことあるでしょう。

そう。一般的にいうと…

【カラー剤】

というやつですね。

僕が非常に好きなアイテムで眺め続けていてもとくに飽きる事はありません。

ま、大抵の場合技術的な話になるわけなんですが、ちょっと違った角度から見えるものをお話してみましょう。

【カラー剤。一人一人のお客様に適量作れてる?】

非常に当たり前かつシンプルな問いですが、意外にここにも技術向上のヒントが隠されています。

【ステージ 1】*基本的にキチンと髪を見ている?

「髪の長さ」という部分においてはいうまでもありませんが、その他、「前回カラーした後生えた距離、髪質、毛量」などを総合して判断していますか?

当たり前。という領域の前段階ですが、お客様のその状態を見ずしてカラー剤の量を判断していませんか?

規定はあくまで規定です。

【ステージ 2】*メーカーによってのカラー剤の硬さ、内容量、値段などを確認していますか?

カラー剤製造メーカーは複数あり、メーカーによって内容量、硬さ、そして価格設定など様々です。

(L社 内容量120g)

(D社 内容量 80g)

大体これと含めて「混ぜる2剤」に関しては「一律定量」の事が多いですね。

まず、それが「何故か?」

頭を働かせましょう。

仮に(上記以外のメーカー A.Bがあったと仮定して)

A社…「80 g 1本あたり1000円」

B社…「120g 1本あたり980円」

おや?と思いませんか?

「内容量と値段」

これってどうなのかなー?なんて疑問を膨らませてみてください。

価格設定はおいておいたとしても何基準でそれが作られているか考えてみてください。

単純に考えても…「B社の方が沢山使う前提で作られている」

ということになりませんか?

そう。「B社の方が薬自体が固めで伸びが悪いので予め多めに作る事を想定している」わけですね。

この辺に関しては考え方の個人差があるとは思いますが、少なくとも、各社の内容量、価格に対しての把握はしておきましょう。

そうすることによって、材料比率計算、材料費に関わる考え方も変わってきます。材料費は命ですからね。

後々のお役に立てる知識でしょう。

この辺もカラー剤、使用量選定の基準となります。

【ステージ 3】カラー剤とハケが絡みあった時の感覚を腕に刻む。

ステージ2までにおいての考え方が及ばずとも、我々技術者においては…

【毎日の積み重ねにより刻まれた腕の感覚】

というものがあるはずです。

カラー剤をカップに用意し、ハケでそのカラー剤を取る瞬間のタッチ感覚を感じていますか?

メーカーによって硬さがまるで違う。

柔らかければ伸びやすく、逆にうすーくつきやすい。

硬ければ伸びにくいが、逆にしっかりと乗りやすい。etc…

各社の特徴を「腕に刻んで」いますか?

毎日、カラー剤を塗る中で気づく違和感を大事にしましょう。

一例ですが、腕に刻みまくっていると、メーカー毎の適切な混ぜ方をされたカラー剤状態が記憶され、ちょっとでも間違った混ぜ方(1剤と2剤量バランスをミスした)をした場合すぐ気付いてしまいます。

僕の場合は何度かやらかしている場合は追及しますし、しばらく作らせません。

何故ならお客様に対しても無責任ですし、いい加減な作り方をしていてもその本人の為にならないからです。

「そのくらいの意識を指先に込めよう。」

もうこのステージ 3まで感じられている人は間違いなく「お客様に合わせて適量のカラー剤を用意するスキル」が備わっていることでしょう。

サロン毎で決められていたり、長さとかのざっくりした目安量や、規定などだけでカラー剤使用量を判断していませんか?

【ここにもあったよイマジネーション】

ここが適切に行える、自然に行えるというのも理論抜きにして才能です。

普段から感じられる能力があるということです。

一見どうでもいい事の様ですが、非常に重要です。

・作りすぎると無駄。(サロンの財政も考えよう!頭も働いてないよ!)

・作らなすぎても無駄。(何度も作り直しにいき、サロンの回転を悪くさせ結果、お客様を待たせたり他に迷惑をかける事にも。材料費は言うまでもなく無駄。挙句、再度作り直しで余計に余る事態などもあり更なる無駄が出る可能性も。)

そして何より…

【お客様の髪のデザインに関わっている】

ということです。ジャストに作れる才能を持っている人は。

それだけ頭が回転されています。

恐らく、自分がお客様を担当する様になってからも頭のキレがいい事は言うまでもありません。

デザインひいては後の技術レベル向上にも役立つことでしょう。

以外とサロンにはこういった角度から技術レベル向上のヒントが隠されています。

そういった部分も含めて今一度見直していきたい所ですね。

ジャスト!カラー剤!

いいですか?貴方がたに言ってるんですよいいですか。

【こちらも類似エントリー】

(ど正面ではない切り込みのエントリーシリーズ)

”【シャンプー】という技術にみる将来性”

合わせて読んでみてください。

【pool magazine 2014/6 より転載】

【髪質】に合わせてジャストにカラー剤を用意できるというシンプルな才能

http://poolmagazine.jp/naotokimura/181

Category : コラム