Naoto Kimura

2015.4.27

【カットが速い】は正解か?別にゆっくりでもいいと思う。が…

美容師さんからの質問によく上がったりするのですが…

業界的に一種の指標というか、上手下手や売り上げ基準の判断とされやすい…

「カットのスピード」

類似表現としては「予約枠がどの程度」みたいなのもあったりします。

僕はよく…

「カットが速いですね」と言われる事があるんですが…(自分では無自覚です。)

カットが速いという事をブランドにした事はありませんし、速いといい。なんていう概念はありません。

次々いらっしゃるお客様。ただ単純にお待たせしたくない。きっちりゆとりあるスペースの確保。

というのが自分の責任であり、半ば強制的に手を早く動かす、判断を早くせねば自滅するという事から様々な工夫をし、現在に至るわけです。

その間もめちゃくちゃ苦しみましたし、工夫もしてきました。

現在も「果たしてそれでよいのか?」という疑問がなくなる事などありません。

「更によいもの、更に沢山の方を、更にクオリティを」

なんて思っていたら終わる事のないこの道を日々考え、試行錯誤しながら一歩一歩進んでいくしかないよなぁ。と思っていますし、もちろんそうするつもりです。

みんなそうした方がいいの?というとそういうわけではないと思う。

人にはそれぞれペースがあり、僕自身はこうであったから必然的にそうなったわけで別に真似も参考にもする必要ないと思うんですよね。

*ゆっくりであってもいい。が、しかし…

マイペースに仕事する事は自分にとっても憧れでもあり、できるならそうしたい。

なんだけど現状はそうもいきませんよね。

僕自身は僕の料金設定があったりして、それに合わせて担当できる人数を定めているわけなんですがそういう事を考えた事があるでしょうか?

「ゆっくり」なんだったら必然的に負担なくやれる人数限られてるんだから値段あげるべき。

そう思っちゃうんですよね。

若いスタイリストであっても。

なんか、現在の業界の値段設定って変だよなぁ…

なんて思ったりするんですよね。

かかってる時間に対して料金を変動させるシステムでもよいと思うんですよね。

若いスタイリストだから「いくら」とか…

安くしないと来ないと思って安くするんだけどそれでも結局こないなら思いっきり時間を使ってクオリティを高めて(上がるかは不透明だけど)料金上げるといいと思ったりする。

「速い」とか「予約枠の数」がブランドになり得ない時代だと思っている。

まだまだそういった思考が多い様に思っていて、やれ「売り上げいくらだ!」「カット何分だ!」「今日の担当数は何人だ!」と言ってしまいがちなんですが、ちょっと本質ズレつつあると思ってるんですよね。

基本的に競う所はそこではなくて…

「お客様が幸せになる事」

「働いている人間を幸せにする事」

というブレない軸が自分にはあり、「???」と思う事もしばしばです。

なので、別に真似をする必要もなく…

無理にカットを速くする必要もなく。

ただ自分らしい在り方で、きっちり正統な料金(時間を使いクオリティにこだわるなら料金はきっちり上げる)をいただき、双方幸せになれればいいんだろうなぁ。なんて思ってます。

多分そうしてると伝わって再来してくださる方も増えるのではないでしょうか。

断片的に捉えるのではなく、「カットが速いからいい」訳でもなく、ちゃんと信念持って取り組んでその分の料金を頂いてれば、僕の3倍の時間かけて優雅に仕事してても僕の売り上げ額とさほど変わらないかもしれない。

あ、書いてて気づきました。

僕の理想がそれだったという事を。

Category : コラム