Naoto Kimura

2015.10.10

お客様に【お子さんは”美容師”になってもらいたいですか?】とかなりの率で聞かれるので答えてみる。

目下、これからご結婚なさる方、なさっていてこれからお子様を控える方、すでに御出産なさっている方。

そんな感じのお客様の層がとてつもなく増えており、必然的に会話もそっち方向になる事が多いです。

お子様(これから生まれてくる)に”美容師になってもらいたい?しますか?なりたいと言われたらどうですか?

という質問がかなり多いんですよね。

なのでちょっと考え方をば。

子供には”美容師”に…全然なってもらいたいと思っていません!

そう答えています。

美容師というのがキツイからとか…自分がこうだったからというのは全くなく、美容師自体は基本、気合い入ってればメシ食っていけると思ってますし、自分のDNAですから気合入ってないわけないでしょと信じたいのが親心ですよね。

別にそういったネガティヴな意味でもないですし、こういった仕事でよく言われるのは…

「美容師っていいですね。いつの時代になってもなくならないし。手に職があるから」

まぁ、類似する職人色の強い職業は全部絡む話かもなんですが、本当になくならないのでしょうか?

僕自身は割と本気で将来的にはなくなると思っている。

そう、僕らの世代は全然セーフかもですが、これから生まれてくる子供世代が、大人になり、ましてや人生を全うするであろう時に職業として成り立つのか?なんて考えたりするんですよね。

いやいや、大丈夫でしょ。果たしてそう?だって今も10年前から考えたら想像もできなかったよ?

僕は10数年前にインターネットに出会った時の衝撃とか忘れるべくもなく、こんな事が起こるだなんて想像もしてなかったし、現在のスマホなんてもっと遠い未来の事だと思っていた…

本当は自分らが幼少期の時に想像していた21世紀とは違かったけど、黒電話から想像したらとんでもないイノベーション速度だ。

「無人タクシー」 不安と期待

http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20150601-00042525-r25

2020年までに無人タクシーを走らせる。

という計画があったり…

imaii “iPS細胞で魔法の髪に??” ヘアカラー ヘアスタイル ヘアケア ヘアカタログ トリートメント – imaiiのブログ

http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1534368/1546518/83103040

再生医療の発展は髪の毛に関しても更なる飛躍をもたらすだろう。

髪の毛切るのは人間でないと…それ本当?

髪を切るのが人間でないといけない。っていう理論て全く根拠がなく、「人との触れ合い」を売りにして成り立っている我々の職業も雲行きは怪しいと思うんですよねぇ。

直接コミニケーションをかわす傾向も

「美容室で喋りたくない」

「直接電話して予約を取りたくない」

「人と喋れない」

そんなニュアンスの人も増えてきていて「1:α」空間の中(twitterとかLINEとか諸々)でなら自分らしさを出せるけど、実際会うと目も合わせられない人もいる。

そういった中、プログラム化され、カットができる、染められる、再生できる、セットもしてくれる…

そういった事を想像し、実現しようとする起業家や企業があっても全然おかしくない。

そもそも「無人タクシー」にトライしたり「宇宙旅行を民間企業が計画」してたりする領域でライフスタイルに影響するようなもののオートメーション化は絶対されないなんて思うものなのか?と…

ありえない事がいつの間にかありえるものになっていく…てゆーか”いた”

スマホの時点でありえなかったし、Eメールとか消滅の危機とかって事をほんの一昔前の自分が想像できたか?

全くできなかった。

んでもいつの間にか”普通”になっていた。

ありえない事をどんどん可能にする時代。

模様をみているとそんな風に見えてきて、僕らの様な職業が実際成り立っていくのか?

そんな未来像すら考えてしまう。

むしろプログラムに需要がでるんじゃね?と…

美容師をやりたいにせよ、それを機能させる知識、そうして対応力が求められてくんのかな?と…

美容師って職業がそういうヘアスタイルを想像して造形を頭に描き、打ち込む。

そんな事も考えられる。

「バカげてる。人間だからできる髪の味わいがある」

そういう理論も出てくるだろう。

でもその逆もある。

「コンピューターが行うからこそ出る髪の質感もある気がする。例えば”アニメ的、漫画的ヘアスタイルの質感とか。だってそれっぽくは人間はできるけど、完璧にはできないじゃん」

アニメ的ヘアスタイルとかって非現実的なものは非現実的なものから作られるし、その正確さが求められるだろう。

やはりそれには緻密なプログラムだったり、計算、デザインが必要で、そういったのって盤上じゃないとできなかったりすると思うんですよねぇ。

まさにIllustratorとかでデザインし、髪質を正確に入力。骨格をスキャンしてポン。

ホントにありえない?

そうなのかなぁ?って思ってしまう自分もいるんですよね。

夢がないですね。

んでも職業的には違う夢もみています。

なので…

いや、別に美容師にならなくてもいいかなぁ?

そういう感覚に。

実際生まれてどうこうなんてわからない。んでもそういった柔軟さ、冷静に考えた時に子供が老いていく時に全うできるかなぁ?固くなってないかなぁ?なんて想像してしまったりすると…

いや、別に勧めはしないかなぁ?

という見解に。

変なんですかね?

僕は全然ありえると思うんですよねぇ。

子供ができて、「お父さん、美容師になりたい…」

って言われたら…

「ようし、そういう時に備えてプログラミング(ヘアスタイルを打ち込む、盤上でデザインできる)も一応学んどけよっ!ははは。」

とか言っちゃうかもしんないなー。と…

ヤバい親父ですね。

んでも…

「んでもオヤジそうじゃねえ。俺は機械を越える美容師になる!」

そういった気合見せてくれたら止めはしませんね。

多分、結局そういう気持ちが大事なんでしょう。

本当に越えられる気がします。

どうなっていくんすかねぇ?僕らの職業。

お客様に沢山聞かれるから書いたものではあるんですが、こうやって書いておいて子供が大きくなって文章読める様になったら読んでもらってどういう意見聞かせてくれるかなぁ?なんて楽しい想像しながらこういった妄想を21世紀の文明の利器に残しておきたいと思います。

Category : コラム