Naoto Kimura

2016.6.9

ん〜。まぁ、10年持たないでしょうねぇ。と言った話

先日、美容師さんとある会合があって、最近出店なさった方との会話のエピソード。

僕は割と何でも包まない様にしていて、相手を立てる事を言ったとしてもあまり意味はなく、お互いの為にもならないと思っているタイプです。

そんな中で質問をされたんですけど、出店して一年くらいのサロンの代表の方に…

僕、ネットとか苦手なんですよねぇ。どう思います?

と、聞かれたので…

ん、まぁ、10年持たないでしょうね。

と答えたら、周りから驚きの声と、本人は苦笑していたんですが、なんで僕はそう言ったのでしょうか?

そういう発言にも真意が沢山隠されています。

代表者がそれを言ってしまったら働いている人に”逃げ道”を作ってしまう

僕は今っぽい事を積極的にやるタイプなんですが、それって自分がやりたい!と熱望しているわけじゃなくてあくまで…

「嗜んでおかなければ、今後の人の気持ちがわからない」

という感覚が大きかったりします。

なのでまず「苦手」とかっていう言葉は思っていたとしても出さない。

もし、仮にそれを言ってしまったら下で働いている人にも「あ、別にいいのか」って感覚も植え付けてしまう可能性がある。

だから代表であるならば先の事を考えると、自分はやらないまでもそれを多分言わない方が得策なのでは?と…

自分が大丈夫なのは当たり前。んでもその先の人が活躍できないとどのみち長続きはしない

大体の場合、そういう話が出る時は「自分は大丈夫」というケースの時に言われる事が多く、「自分が大丈夫だとその下や先も大丈夫」という感覚に縛られがちですよね。というお話を。

「相性がある」

例えば雑誌などで活躍してて、集客が成った人はすでに実力も認められていて、人となりも判断されているので突然没落する事は考えにくい。

が、しかしこれからの人が同じ様な道を歩めるのだろうか?

特に雑誌主体で上がってきた場合、その下の人までもが有名美容師になり得たケースは極めて稀であり、同じ様な価値観で臨んだとしても恒久的に盛り上げるのは非常に難しいと思ってしまう。

そういった意味で…

「沢山の選択肢を保有する」という事はそれぞれの特性にあったやり方を見出しやすく、またそれが助けてくれる場合もあるかもしれませんよ?と…

時代にあったやり方で開花したらそれこそまたサロンを持続させる事に一役買ってくれる存在になってくれましょう。と…

結局長く運営していくには「人」むしろ今は我々が勉強しなくてはならない時代かもね。と…

今、仮にイケイケでも自分で想像してみると10年先なんてわからない。

それでいて、割と現代のコミニケーションの在り方に触れている自分には、今から我々の価値観を押し付けてみたとしてもどうしてもお客様に支持を得られるビジョンが湧かないのだ。

10年の間にはスカイプ育ちやLINE育ち、ましてやツイキャスばんばーん。

みたいなのがスタンダードコミニケーションだった世代がわんさか業界に入ってきて(まぁ、すでにだけども)、そこからやれ「美容師とは」「人とはこうなんだ」と言ってみても「ポカーン…」とされるだけでのれんに腕押し、圧迫感まで感じて「もうやめよっかなー」みたいな雰囲気も出てしまったりなんてのも充分考えられる。

なので、今勉強するべきは「我々なのだ」という事を。

まずは理解しなければ何も話は通じまいよ。と…

なので、そういった「苦手」的な雰囲気は出さず、背中を押したり、理解を示す(勉強しておく)必要に駆られています。

という話をしていたら納得されておられた。

別に何が正解かも、どれが正しいかもわからない。

ただ、自分は17年存在しているサロンに11年属してて、進化しているにも関わらず、それでも20年、30年続ける事の難しさを実感している。

そして果たして続く事が正しいのか?という事すらも思う。

新たに脱皮するなら存続を目標にするより違った展開に結びつけた方がいいケースもあるのでは?なんてのも思うが、これは組織人としては歯車の一つとして、組織の為に全力を尽くすという事が使命であると思っている。

ほんのちょっとした節からほころびが生まれる事もある。

なので、本当に思っている時は仲良いと思っていればいるほどはっきり包まず思う事を言う様にしている。

正しいか正しくないか?は別にして、これも本質的コミニケーションの作り方だと思っているからだ。

言いながら、自分に対しても戒めを。

そしてもっと面白くなる風潮作りを。

そんな感じで場を離れた。

ますます進んでゆくこの時代の流れの中で、しっかり泳ぎきれる知力と体力を養いたいものです。

Category : コラム