Naoto Kimura

2015.3.28

OLD WORK 〜時代を読んで頭を切り替える〜

下のスタイリストの子達にお客様を増やしていく上でアドバイスを求められる事があるんですけど…

基本的に僕とかのサロンワークスタンスは古いから参考にしない方がいいよ。

と、言っています。

本当にそう思ってるんですよね。

ま、大型店によくある現象かもなんですが。

一見いいように見えるんだけど実際生産性としては高くない。

お客様に沢山来店して頂ければ必然的に「アシスタント」というものも必要でアシスタントに対しても「教育、育てる」という事が必要となり、利害的には一致します。

アシスタントを使って仕事をするという事は必然的に生産性としては下がります。

例えば…(月間300万の売り上げでアシスタント2人常駐なら自分含めると100万にしかならない)

基本的には1人プラスされる毎に稼働というものが変わってくるわけですから、平日、土日祝問わずMAX予約入る人であればベストの生産性を上げる事ができますが、ムラがある場合はそこに歪みが生まれますし、決して効率がよく、ホスピタリティーが高いものとは言い切れません。

僕ら世代はそれしかなかった。

僕らの世代はカリスマブーム絶頂期でそういった仕事をするしかなかったし、そういうもんだと思っていた。

その仕事を追いかけていった結果、自分もそういう風な道を辿り、結果論実現できる領域にはこれた気がしています。

ですが現代はどうでしょうか?

多分、お客様が多い人と同じスタンスを求めていると自滅するor増えるスピードは遅いと思う。

もちろんキャリアというものはとても大きいものですが若手のうちからそういった「アシスタントがいる前提の仕事」というものをしていると基本的にクオリティの向上は望めないし、時代にも合わないから自滅すると思っています。

てゆーのは現実論、自分もアシスタントにしても「質」というものの高まりが求められているし、基本的にお客様のホスピタリティーを高める事を考えると…

「1:1接客」

みたいなものがマストな気がしています。

他の大型店と比べても差別化できますし、自分の思う通りの仕上がり、クオリティをキープできるからです。

*「30分に1人」予約を入れるスタンスは果たして現代において正しいのか?

僕自身は「20分に1人」という間隔でお客様をお迎えしていますが、若手の人になると「30分」枠がスタンダードです。

30分毎にマスがあるので1日通しても「5名」のお客様しか予約が入らなかった場合でもある程度かぶる部分でお受けするのが普通かと思います。

「て、事はお客様かぶりしますよね?」

そう同時に数名のお客様がサロンにいらっしゃる事になり、必然的にアシスタントも必要です。

そして終わるとガラ空きになる。

そんなのが月で言うと大枠を占めているケースがほとんどなのでは?なんて思います。

おまけにまだ「快適に回す、クオリティをキープする、生産性を考える」などのスキルにおいては発展途上なわけですから必然的に顧客満足度を下げお客様を失うパターンがかなりあるのでは?なんて思います。

現代において今「自分が若手スタイリストだったら?」で考える。

今のキャリアを持ってして何がベストか?

なんて考えると自分が考えるサロンワークスタンスだとこういうアンサーが出てきます。

・まず見栄を捨て、一人のお客様に向き合いきる努力をする。

アシスタントとかにお願いをして仕事をするのはある種「憧れ的」な部分もあったりするかとは思いますが(もちろん僕もかつてはそうだった)、そういった「見栄」みたいなものを断ち切ってる人の方が強いと思っています。

「ただそこにいる1人の方を渾身の力でキレイにする」

そういった雰囲気は確実に伝わるし、「また行こう!」と思ってくれるのでは?なんて思います。

・1人終わるまでは次は入れない。

基本的にマンツー(当たり前だと思いますが)で担当できるペースを保つ。

若手のうちから、時間調整を心がけておくのは大切だと思います。

心を込めて向き合い、しっかりとお帰りいただく。そしてまた次を出迎える。

基本だとは思いますが、意外とできてない事も多く、不必要にアシスタントに出迎えさせてみたりそういった無駄な事をしてはいないでしょうか?

そういったスタンスでいると「2時間に1人の予約ペース」とかになり、結果論「5名」の予約になるわけですからそれが30日続くと仮定すると月売り上げでいえば変わらない。もしくは上。なおかつ生産性高い(人を使わずに済む)という結果を生みとても優れたホスピタリティーを提供できるのでは?なんて思ったりします。

おまけに消耗しませんしね。(待たせているプレッシャーとかない)

楽しく仕事できると思います。

……………。

てゆーかそれって「面貸しサロンじゃね?」

そう。そうなんですよね。

ま、「面貸しサロン(セット面を貸して個人でもてなすスタイル)」が増えまくる理由がわかりますよね。

効率としてはMAXいいですよね。

なおかつ、今だったら「自分で正解を作り、お客様の支持を得る」という事が全然可能であり(SNSやメディアなどのツールも豊富)、その人にとって「唯一無二の美容師」であることができる。

「待ってでも担当してもらいたい」

と、思ってもらえる表現ツールと、それを最大に表現できるステージ、おまけに収入面も…

アシスタントもどの道少なくなる。

美容師のなり手の推移としては減少傾向であるし、現代においてはスタイリストよりアシスタントの方が多いサロンの割合はかなり少なくなっていると思います。

それでいて「これから増える」という要素もありません。

現段階ではいくら良い事言った所で、本質的な部分で向き合わないとまず増える事はないでしょう。(社会保障、休み、収入)

業界的な体質が大きく変わらない限り厳しいと思ってしまいます。

と、いうことは現段階では何とかなってもそういったスタンスで仕事をしていると結局首はまわらなくなるし、上司の方にいく必要性の方が高くなるので結局、結果を出していかなければならなくなる。

そういった意味では「ある程度の割り切り」をして局面に合わせて柔軟にスタンスを変えておく事は間違いではないと思います。

素直に「うむ!凄いわ!」と思える若手達の到来。

積極的に若い美容師さんの話を聞くようにしていて、そういった意味では「先取っている」若手美容師さんも多く出現してきています。

正に「マンツーマンスタイル」できっちり毎日予約を埋め、「唯一無二」であるがゆえにカット料金などは僕よりも高いです。

売り上げ的にも「たった1人で300万級」をたたき出してるので大したものです。というか僕とかよりはるかに凄いです。

生産性もケタ違いです。

すげーわ。できねーわ。

と、話を聞いていた時には普通に柏手を打ったものです。(基本的に盛ってる話ならすぐ分かります。やはりやってる人はオーラが違います)

そういった背景も見ていたのちに…

自分の仕事スタンスの「古さ」を痛感し、そしてキャリアがあるのならもうワンランク上へ。という思想が。

そういった感性も芽生えるし、逆に自分が積んできたものがあるからこその「人を使う事によるもうワンランク上のホスピタリティー」みたいな発想になり、今に至る。

僕らのスタンスを真似するというより、時代の空気を感じ柔軟にスタンスを変えてみなよ。

これが僕がアドバイスした事。

「時代の空気を読み、頭を切り替え、そして行動に移す事」

ま、やったもん勝ちだと思うんですけどね。

皆さんの感性はどうですか?

Category : コラム