Naoto Kimura

2016.8.30

仕事にモチベーションを求めるのって意味ある?

最近、「美容師を辞めようか悩んでいる」みたいな若い世代と話す事が多いのですが、述べるコメントの多くが…

「美容師が楽しくなくなった」

「モチベーションが上がらなくて」

みたいな、いわゆる「気持ち」的な要素が原因というパターンが多く、僕がむしろ答えているのは…

むしろ仕事で”楽しい”とも”モチベーションが上がった事も”ないのだが…

みたいな感じでいうと衝撃を受けているのを見て、自分の方が驚いています。

「仕事にそれを求めていたのか…」

と…

いや、だって仕事じゃん?!

仕事だよ?

働く事によりお金を頂くじゃないですか?

働くのって国民の義務だし、逆に学生時代に「勉強好き!」って公言してる人なんてかなりマイノリティじゃないの?と…

仕事に置き換えて「仕事楽しい!好き!」みたいな感じでやってる人は何パーセントいるのか冷静に考えてみたらわかるやろ。。。と…

親父達も「きつい…きつい…」とか言いながら仕事こなして、我々を育てる為に苦労もしていた。

仕事においてはみんな我慢してる事も、辛い事もあったりとかして、その中でしっかり…

「食べていく為に」仕事をしているわけであって、そこに「楽しい」とか、「モチベーション」とかって関係あるんかな?と…

「生きる」という大前提があって、しっかり働いていかないと「生きられない(まぁ、日本国では生きられるパターンがあれども)」わけだから、そういった感覚になるのって…

「自立していない象徴(と、いうか楽しく仕事する事やモチベーションにかこつけてるけど、生きられる余裕がある)」んじゃないのかね。。。と…

僕自身は正直なところ、仕事自体が楽しいとは思っていなかった。

僕がこの職業で楽しいと感じていたのは「作品作り(創作活動)」であって、そういう取り組みを行っている時には素直に「楽しい」と思う。

お客様に関しても自分から生み出される「創作物」の1つという感覚なので楽しめている。

ただ、辞めない理由はそれだけではなく…

「食べていかねばならん」

と思っているところや、転職した所でやっていける自信もなかったから。

僕の感覚では…

「一度世界に踏み入れたらやり遂げる。他に行っても100%満足する事などあり得ないと思って現状を頑張る」

という感じだったので、今までずっと続いてきている。

ある程度満足している所もあるのでいつか辞めるかもねー。

とも思うし、転職する事もあり得るかもしれない。

みたいな事を話したらキョトンとしていた笑

まぁ、僕も価値観を押し付けたいわけでもないのでそれまでにしておいた。

楽しみを持つ事はもちろん大事だと思うし、やり甲斐を感じるのも大事な要素だと思うが、ただそれ以上に…

「生きる。食べていく」

という事はもっと大事で、それがすでに環境により頑張らなくても叶いやすい状況であるならばそういう風に思うのも普通だろうなぁ。としみじみ。

仕事ってよりは、”生きる”という所にはモチベーションを感じてるかもなぁ。

仕事で鞭をうってるからこそ、休日が楽しかったりする事もまた1つの生きがいだったりするしねぇ。

なんて喋りながら思った夏の終わり。

仕事の在り方もまたこれからどんどん変わってゆくのだろうとあらためて感じたエピソードでした。

Category : コラム