2014.10.19
そもそもそんな【使命感】をもって進路を決めるのか?
最近、色んな媒体で…
「美容師になったきっかけ」
とか…
「進路を決める時にどう考えていましたか?」
みたいな事を聞かれる事が多く、答えると大体驚かれる事が多くて困惑することが多いです。
そんだけ美容師志願者が減り、深刻な状態なんでしょうね。
*特に何も考えていなかった。
そもそも、高校時代に進路を決めねばならない時にはかなりフワッとしていて親も困った事であろうし、岡山という地元の中では大体地元、もしくは出ても大阪。という選択の同級生が多く、「東京」という選択をする人は少なかった。
そんな中、「東京という場所への憧れでしかなかった進路決定」をした。
*別に「美容師」という所に注目して選択したわけではない。
たまたま両親が美容師ということもあり、ただ単純に美容師やるなら東京で!1番の場所でやりたい!(その当時は正に原宿が美容では最も盛り上がっていた雰囲気がありました)
そんな単純な理由。
つまんないですよね。
今思えば何の根拠もない理由が1番で現在の職業についたわけなんですが、現在も続けられている今日。
10数年経って現在は選んで良かったし、「誇り」ももっている。
んでもその当時はそんな「使命感」みたいなものを持って職業選択をしたわけではない。
本当にフワッと。そしてあんまり先も考えていない短絡的な選択法だった。
*イメージとして勝手に「かっけぇ。オシャレ。アウトロー。」みたいなイメージがあった。
本当に下らない高校生活を過ごし、遊んでばかりいた。
別に自慢できる事では全くないがあまり高校の勤怠状況はよくなかった。
んでも、専門学校に通い出してからは皆勤だった。
なんか高校卒業がスイッチの入れ替え時期だったんだと思う。
そして、色んなヘアサロンにも行き、雑誌も読み、カッコ良さみたいなものを勝手に感じていた。
むしろそれまでは正確に仕事を認識していなかった。
何しろ美容室というものは実家というイメージしかないのだ。他に行ったこともない。
知る理由もないし、そんなカッコいいものだとは思っていなかった。
なんだけど、東京の美容師さんは本当に魅力的で、オーラがめちゃあった。
僕はそんな人になりたいと思っていた。
ちなみに本人はもう全く覚えていないと思うが、その学生当時髪を切ってくれていたのは…
「古賀栄三さん」(現eizo代表)
でした。
そう。僕の美容師イメージの基準は古賀さんだったのです。
とにかくカッコいい。オーラある。オシャレ。遊び上手。
みたいな勝手な妄想が僕を掻き立ててそのままこの世界にいざなっただけだと思う。
そのまま、当時古賀さんの所属するサロンに入り追いかけまくった。
古賀さんの周りは本当に魅力的な先輩ばかりで、現在一緒に仕事をしているairの執行役員 渋谷、マネージャーの重永、金丸
belle代表の飯田、堀之内
アクアの太一郎さん…
他にも数えるとキリがないくらい多くのカッコいい先輩、同期、後輩がいて本当に楽しかった。
本当に毎日が楽しかったんすよね。今思うと。
デザインする事ももちろんなんだけど、他にも多くの事を学んだ。
そんな鮮烈な思い出があるから毎年、サロンは別れてもみんなで集まる機会を作り、またその当時の気持ちなどを思い出しているのだろう。
枝分かれした中ではまたドラマがあり、消耗したりする部分や上手くいかない事もあるのだろうが、そこでまた思い出したり、前に進む材料にしているんだろう。
みんなはわからないが少なからず僕はそうです。
別にそこには結論などなく、ただ漠然とした話をしているだけ。
んでもそういった仲間に出会えた事は本当に貴重だと思う。
過去を美化している部分もあるかもしれない。
ただ、そうする事によって今のエネルギーになっている部分もあると思う。
そうやって波がある自分をみんなコントロールしてきているんだと思う。
そういった意味では全く持って「使命感」などなく…
*漠然と世界に飛び込んで、ポジティブに捉えていった結果だんだんのめり込んでいった感が強い。
そんな風に思いますね。
スタートから何もありませんでしたよ…
本当にバカなやつでしかなかった。
ちなみにそこの最初のサロンはクビでしたしね。
それも今思うと人生のターニングポイントだったりして、現在ではとてもポジティブに捉えています。
*もっと全然単純でいーよ。バカになれよ。
ま、こういった所から、現在を見通すとそれはもう皆さん立派なもんだなぁ。と思うわけですよ。
特に最初から意気込む必要もない。
みんな、キャリアを重ねてきて思っていることを言葉にしているに過ぎず…
「美容師は素敵な職業だ!」
みたいな部分も、なろうとしている段階で思っていなくても全然いい。
*社会保障どうなの?
もちろんこの辺には改善の余地があると思う。業界の平均ベース的には。
んでもみんな前に進もうとしている。
そう、発展途上であるわけなのだから、むしろ「俺がそれを変えてやるんだ」みたいな奴の方が目立てるよw
*そもそもないものを作っている職業でもある
そんなわけなのだから、そういった業界で、バカな失敗もしながら、ホジティブな感覚さえ磨ければメシは充分食っていけるでしょう。
ビジネスという所に注目しだしてもよい。はたまたカッコ良さの覇道を貫き、クリエイティブに生きてもよい。もちろんお客様に寄り添える美容師であってもよい。
*作っていくのが自分なんだ!という気概を持てればそれでよいと思うし、カッコいいよ。
考え方の一つとしてそういった選択肢もあるよ?
という話でこれが全てではない。
僕が今回話している事はスタートラインのハードルの高さは「もっと低いのでは?」
という所です。
「僕くらい下らない職業選択の仕方をした奴もいる」
それでいいと思います。
んでも本当に選んで良かったと思います。
これが堂々と言えるまでに10数年かかっています。
別に歩んでいく中でジャッジしていければいいんだと思うから。
あ、僕が最もオススメなポイントは…
「本当に人間くさいよ。この業界」
正直もちろんめんどい部分も。「うおー。」と思う部分もあるのだが、結局「悪い人だなぁ。この人は…」みたいな人には出会った事がありません。
その時は一瞬思う事もあるかもしれません。
ですが、結局続けてこれたのも「人柄」だったと思います。
10数年を経て…
きっかけを作ってくれた「古賀さん」と同じステージで仕事できるのも。
お世話になった先輩も、後輩も。
直接、一緒には働いていないけどもなんか分かり合える美容師の仲間も…
「みんな人間くせぇw」
僕はそんな所が最終的な理由で続けてこれてるのかもしれませんね。
いい職業ですよ。美容師。
Category : コラム