2016.1.7
使ってもいい。一生を背負え
サロンでミーティングをしていると若手スタイリストの発言から必ずと言っていいほど出てくる言葉が…
「出来るだけ人(アシスタント)を使わないで〜〜」
みたいな発言が出てきます。
基本的に…
「アシスタントを使って仕事をする」という事に悪い認識がある様です。
今では美容室の在り方も多様化していて、「フリーランス」「マンツーマン」みたいなスタンスも増えてきていますが、未だうちは大型サロンである為、アシスタントを育てながらのスタイルです。
そうやって「組織化」を図っているサロンに在籍しているわけですからそのスタンスが間違ってるとも思いませんし、むしろ自分もアシスタントを絡めながらの仕事に美学ももっています。
ただ、実際、若手スタイリストの指導方針として「出来るだけ自分で」とか「立場を考えながら」的なニュアンスでそういった指導がなされているのは昔からの事です。
・お客様が多いわけでもないのに人使って仕事しやがって!
的な感覚で物事を言われてると思ってんだなぁ。
そう思った自分は…
まずは「意味」から説明しなくてはならない。
と思い話してみた。
・どうして出来るだけ”人(アシスタント)”を使わないスタンスで仕事をするのか?
という話をまず聞いてみたがあまり明確な回答は返ってこなかった。
僕が説明した事。
・店としての生産性(人件費率に見合った仕事はできているか?いざ自分で店やる時まともに精査できないと大変だよ?)
・自分が技術を心を込めて行うには自分でやるのが1番(当然だがたらい回しにされるのが嫌なお客様は多い。統計上でもね。ならば無理してそうしなくてもレベル高い技術は自分の方が提供できて喜ばれるでしょうしまた来たいと思ってくれるでしょう。)
・きちんと自分の思想伝えてる?(人が入るという事は当然、技術ムラがない様にせねばならず徹底した指導を行っているかどうか)
最後に…
「使ってるその子の事、一生メシ食わせていくってくらいの気合ある?」
と…
先輩達がそうやってきたから必然的に自分達もそうあるって必要は全くなく、考え方の部分で、上の立場の人が「専属アシスタント」的な名目でアシスタントが存在しているのはもちろん「会社の為に育成」というのはあるんですが、根本的に…
「何があってもメシを食わせていける、自分の部分から給料を必ず出し続けられる」
という絶対的自信とその継続、実績からだと僕は思うわけなんですよね。
僕自身、アシスタントを使うという事は上記にあった様な技術ムラだったり、接客ミスだったりとかどちらかというと「プレッシャー」の方が大きいのです。
ですが、そういった人物達を育成していくのは使命であり人は会社の財産です。
ただ単に「補助をしてもらえる」的な安い発想で考えてはいなかっただろうか?
僕はやはり「人を使うという事は”人を背負う”事だ」と思っていて…
「必ず一人前にさせる!」
「一生メシ食っていける様に」
「お客様に必ず喜ばれる技術者を」
とかって気合がないと使ってはいけないと思っているし、使われる本人にも伝わると思っちゃうんですよね。
そういう感覚はありますか?と…
あるんなら全然いんじゃない?と…
そしたら必然的に仕事も上手く回るし、自分自身も使われている人も成長する。
そうなることが見えていたらお店も全然投資してくれるんじゃないかなぁ?と…(投資というのは人件費を余分に支払ってでもという意味で)
話の中からもう1つ言われたのが…
「木村さんに付いてた〇〇。あんま言う事響いてない感覚がある。」
と…
「タメを思ったり、自分のやってきて自分なりの有益な事を伝えようと思っても伝わっている実感がない」と…
木村さんは甘いのだ。と…
僕は…
「そりゃあそうでしょw んでも俺多分どうなっても一生メシ食えるヤツには育てるよ」
「そりゃ天秤にかけられて勝てる様に自分が成長せんとなぁ。はっはっは。」
と…
成長や育成していくプロセスは様々だ。
色んな人の考えがあって成り立ってゆく。
そりゃあ、使われる側も天秤にかける。
んでも実際どうだい?
僕はそんな仕事できない人に育ててたの?
と問うと…
「…………。」
「それだな。」
と…
自分が「絶対に背負う」という気概があったら伝わるもんは伝わる。
そして多分その課題から逃げているだけの様な気がするよ。
もしそういった子達がそっちの意見に素直になる様な瞬間。
自分のお客様も増えてて、自分の代わりにやってもらわなきゃいけない「人」というものが必要になる時が来るんじゃないかなぁ?と…
別に声に出して言わなくても、伝わるもんは伝わるし、そして必然的にそれが見えた瞬間、自分が成長していてお客様もまた行きたくなる。
そして段々とやってもらわなきゃいけない「人」も増えてくるのでは?と…
聞いてる眼差しはまっすぐでとてもいい目をしていたなぁ。と…
今年の活躍が楽しみだよ。
Category : コラム