Naoto Kimura

2016.7.24

若手スタイリストにありがちな発言に向き合ってみた話

よく朝礼などで聞くフレーズに…

「今日は混み合ってて”お待たせする事もあるかもしれませんが…」

「お待たせの仕方を…」

「お待たせした時の…」

みたいなのがあって、そういうのを聞くたびに…

「ああ…この子はお客様から支持される様になるまでに時間かかるだろうなぁ…」

と、思ってしまう私です。

そもそも論なんですが…

待たせる予想をしている

わけでして、待たせた時の対処を考えるより…

絶対にお待たせしない

という議論を交わした方が建設的だと思うのですが、いかんせんそこに気付きがないからです。

そういう発言に至る技術者は大概…

若手、キャリアの浅い人

に多く見られ、1日通して予約が埋まっているわけではなく、局地的に予約が入り、後は特に何もないって場合がほとんどです。

起こった後の対処を考えているより、起こさないのが大事なのでは?と…

そう、お客様が美容室に来店してお待ちになっている時間ほど無意味なものはないと思っています。

そういう感覚になれていない事と、それが普通だと考えてしまう慣れ感覚はプラスになる事はないでしょう。

そもそもマイナスに思われやすいものを改善していくからプラスになっていくわけでして、僕のスタンスだとそれに対して前向きに向き合っていった結果、ほとんどお待たせする様な事がなくなっていくわけです。

ではそういう所に向き合って考えてみましょう。

(自分の予約帳。そもそも待たせてしまった時点で、お客様も自分もサロン全体も穏やかに死を迎えます。正に阿鼻叫喚の図。ズレたら上下からのプレスで圧死待った無し)

待たせた時は?という思考がまずなかった

待たせるケースを考える意味はあるのでしょうか?

サービスの根本を追っていくと、まずそんなキーワードが出る時点で不可思議です。

改善する余地が充分に残されているわけですから。(1日通して予約が埋まるわけではない)

〇〇時どうですか?

これだけでまずこの現象の95%くらいが解消できるでしょう。

きちんとお伝えしない事がまず原因の一つです。

無理やり待ってまでという方もいらっしゃるかもですが、その他にまで影響を及ぼしていたら本末転倒。

あなたの身体は一つです。

誰かがいる前提で考えない

大体、無理をしようとする元凶は「人(アシスタントなど)がいる」という思念が働いているんじゃなかろうか?と思ってしまうわけなんですが…(明らかに出来ない力量)

基本的に生産性もとれていない状況でもいってよし!と思ってしまっている甘えもあろうかと思います。

基本的に身体一つ。クオリティを落とさない。

このマインドでいるだけでも格段にリピート率は違うでしょう。

そもそもサービスではない

簡単な話なんですが、「待たせる時点でサービスではない」と思った方が圧倒的にサービス精神が高い人と言えるでしょう。

当たり前の事ですが。

「待っても担当させていただく」というサービス理論もあろうかとは思いますが、リスキーですし、何よりも周りに迷惑をかけることにもなります。

自分は良くても周りは気を揉むのです。

「取るなら意地でも待たせない」

こういう神経なだけでもいきなり「サービス」に昇華されます。

待つのはマイナスでしかないですが、待つのが当たり前と思われているサロンでは、待たせなければプラスでしかありません。

大きく結果に寄与する事になるでしょう。

邪心を捨てる。一回売り上げを忘れてみる

無理してでも、結果待たせてでも…

となってしまう所には「売り上げ」というところがあると思います。

そうやって、時間に対してマイナスに働いても1人でも多く…

そんな感覚はわからなくはありませんが、クオリティを落としてしまっては本末転倒。

自分の力量と向き合い、本当にお客様が好きで…

という感覚なのであれば100%のパフォーマンスを目指すべきです。

充分に向き合える時間に全精力を込めてカットしてみましょう。

マイナスポイントをなくし、きちんと向き合えれば必然的にリピートに繋がり、売り上げは後から勝手についてくるものだと思っています。

こういうのも全て後悔から

今でこそこんな事を言っていますが、自分の過去を振り返ると言ってる事の10%も表現できていませんでした。

だから言わんとしている事もわかるし、自分もそうです。

ただ単にアドバイスしているだけに過ぎず、選択は自分次第。

だけども、僕自身も成長をしていく中で、沢山の人に迷惑をかけてきました。

サロン、スタッフ、そしてお客様…

待たせてしまったお客様への申し訳なさ。

そしてクオリティの低さ。

サロンにおいても混乱させ、自分が担当でないお客様さえ影響を与えてしまう。

悪循環が生まれスタッフの雰囲気も悪くなる。

上手く回らないという事は1ミリもメリットかありませんでした。

なので「わかっているけど、あえて向き合っていこうよ」

そういった言葉になるわけです。

きついな。辛いな。

そんな所に成長というものが生まれ、そしてそこに対してきちんと善処していく事で、初めて、「サービス」と呼べるのではないでしょうか?

「美容室は待つものだ」

そういった感覚にさせてしまうのは忍びないという気持ちはありませんか?

給与、待遇…仕事において諸々悩ましい事も多い業種ですが、むしろ悩むベクトルを変えるだけですべて解消できるようなヒントがそこらに落ちているのかもしれませんよ。

Category : コラム