2015.11.7
忘れられない「L字型」そして我が子の爆誕と。
11/6 ワタシ多分、明日生まれると思う。
突然告げられた妻からの言葉。
出産予定日は11/10でした。
我が子です。間違いなく空気は読まないと思うw
と、僕はコメント。
そう何せ、妻が「明日」と述べた日はめちゃくちゃ忙しかったのです。
朝から撮影→サロン→また夜撮影。
こんな感じのスケジュール。
これはきそうだなぁ。と…
「朝からザワつく周辺」
長めで不定期な陣痛が翌日から本当に起こり、進んでいきました。
(僕は行けないのでアシスタント”坂本”に病院まで連れて行ってもらう様に話を進めていた。妻からの信頼も高かったので)
夫婦の間では”立会いできたら”というのはあったけど仕事には…というのがあった。
我々、2人とも同じ会社で仕事をしていて、彼女は予約を承るフロント。僕は髪を切る人。
出産予定日付近はスケジュールを何も入れず動きやすい様にしていたものの、こればっかりはわかりません。
が、妻の言葉は…
「お客様優先だから」
そう。非常にフロントらしき発言です。
自分らの事は自分でできるのならお客様に負担をかけない様にしたい。
そういうのは夫婦の中での決め事としていて、実際この時が来た時も普通に仕事をこなす覚悟を決めていた。
もちろんお客様に言うつもりはありませんでした。
(アシスタントに家に行ってもらい様子を)
(どんどん定期的になる陣痛)
(紛らわしい表現しやがって!!!!ガッデム!!!)
(破水かわからんて事で一度病院に)
(で、で、でたーー!!!そう、これが2人暮らし出産の辛いところ。病院にいられるのならいさせてくれた方が自分としては安心できるところなんだが…)
(申し訳ない。ゆけぬ。)
(病院行って戻ってはまたすぐ病院。陣痛とは…)
(なんかいきなり飛んでる。。。まじか)
(とりあえず病院で過ごせる様だ。ホッ…)
(紛らわしい!!!!!)
(その頃、六本木ヒルズで仕事していた。)
なんか曖昧な情報で困惑するも、しっかりスケジュールは消化した。
まだ生まれていない様だ!急げ!
あえて出すけど我が家は「日本赤十字社医療センター」を選びました。
しっかりとした説明とサポートで本当に安心感あって助かりました。
その他のトラブルにも対応できる施設は安心感あります。
ソワソワ。
駆けつけるも不在!
お風呂タイムを長めにとりリラックスしていた様です。
(アシスタント坂本。すまんな。本当に助かりました。ありがとう)
ここからは激闘が始まる
時間を追うごとに苦しみを増す妻。
(心拍を確認しながらお産が進みます)(写真はもちろん消音で。できるだけ邪魔にならない様に配慮しています。)
楽になったり苦しくなったり…
「色々調べましたが正に灰塵に帰す」
そう、どの様に接するか調べまくりましたが、結局人によりけりで、僕はあまり話しかけない様にしました。
マッサージは嫌だった模様。
1番有効だったのが「手をL字型にし、子宮口を圧迫する事」
テニスボールなども試しましたがダメ。
結局、これが1番良い様で数時間、陣痛に合わせて押し続けました。
まぁ、不安でしたよね。。。
こんな強くていいの?と…
んでもそれくらいでないと緩和されない痛みとは…
男性では想像する事もできません。
途中で…
「旦那さん。寝ててください」的な指示をだされる。
え、マジ?!?!
旦那さん寝ててください。とは…
ムービーなどではもちろん見てましたが…
こんな状態で寝れる人いるの……
というくらい、1分間隔レベルでうなりまくってて眠れるはずもありません。
とりあえず見守っていました。
痺れる指と共に…
「明日も仕事なのにゴメン!」
と苦しみながらも気遣いを見せてくる妻のコメントには涙しそうになりました。
大丈夫。大丈夫。頑張れ。
それしか声をかける事は出来ませんでした。
ただ、少しの痛みだけでも共有出来たらいいな。と思いながら「L字型の手」で押し続けました。
多分、生涯忘れる事のない指の感覚。
唯一、妻が求めたアクション。
少しなりともここくらいしか妻の痛みを負担する事は出来ないのですから…
そしてその時が近づく
子宮口全開。
やっと「いきんで」いい状態に。
待ってましたと言わんばかりにいきみまくる妻。
途中、ちょっと笑わせてくる妻(本人は必死なんですけどね)
「マジちょっと産みたいんですけど、どうしまショ?」
(なんか助産師さんに休めと言われて休んでる時に奇跡的に撮れた。これには笑っちゃいけないけど思わず笑ってしまった)
と、叫びだす妻w。終わった後なので言わせてもらいますが、ちょっとセンスあるなあー。と思ってしまいました。
いい感じに力抜ける言葉だと思います。
これは…
そして…
アアッと!!!!
うおおおおおおお!!!!我が子ついに爆烈誕生!!!
(動画)
何という事でしょう。
「2015 」11/7 5:47 我が子誕生!(2518g)
奇跡かな?これは。
「人が人から出てくる」当たり前の事の様に思っていて、目の前で体感する事のなかった事。
正に神秘の模様。
奇跡でしかない。
が、本音で話しますと…
実はまだ全く実感がない。
ちょいと触った程度で、抱っこする事も出来ておらず、お産の後処理を見守り、出てきた胎盤を見つめて感じる部分があったり…
息子の誕生はとても嬉しいのだけども、やはり男というのは…
これからが彼との物語の始まりなんじゃないかな?と…
これから生活を共にし、成長していく様を見守り、色んな事が起こって、共に乗り越えていくという物語を。
そんな中で初めての実感が得られる様な気がしています。
僕が今回のお産で1番に感じた事は、息子も誕生の感動もちろんなんですが…
「妻の振る舞いや頑張りに1番心をうたれた」
という事でありまして、様々なメディアなどで調べたりしていましたが、僕に対して苦言を述べたり、当たり方や助産師さんへの対応などかなり配慮している様子でした。
全然当たってくれても良かったんだけど、本当にグチや辛みなどを語らず気丈にお産を進めた妻を誇りに思うし、本当に結婚してよかったと思った。
僕が涙した場面はそこだった。
苦しむ妻を見て、そういった中でも僕の事を気遣ってくれたり、苦しみながらもそういう部分を感じさせてくれる所に僕は本当に心から感動した。
息子にも伝えてやりたいと思うし、今思い出しても泣けてくる。
本当に立派だった。
「ありがとう。お疲れ様」
この言葉しか出ず、お産が終わり落ち着きを取り戻した妻を見て心からホッとした。
自然分娩と無痛分娩。
第二に感じた事は、妻は「自然分娩」を選択した。(ちなみに日赤には無痛はないのでそもそもの病院から考えねばならない。その前から話しはしていた)
僕は98%くらい「無痛分娩に関しての理解」をしているつもりだったがその残りの2%は今回のお産で100%に変わった。
当初、お産の時はどうするか?の議論はなされたのだが、その残りの2%部分を感じさせてしまった部分はなかったか?と反省している。
「一回くらい経験しといてもいいんじゃないの?産みの苦しみってものを」
みたいな思考がたったの2%くらいあったとしても感じてしまう妻だったのではないか?
そんな風に思ってしまった。
お産の様を見て僕の考えは100%にシフトするくらいの苦しみを目の当たりにし、「なぜ、ここまで苦しませなければならないのか?」と自分自身を責めた。
痛みを感じなければわからないみたいな理論は破綻するくらいお産は過酷だ。
自然分娩はナチュラルでよいかもしれないが、逆の意味でリスクも多く感じたし、感情的にそこで変化が出てしまう程、「母」というものは弱くないだろう。と感じた。
もし、第二子が授かるのなら100%無痛分娩をすすめるし、応援したい。
後、こういった経験感想はこれから出産を控える旦那さんには述べていきたいと思う。
少なからず、理解していたつもりの自分が単なる上から目線だったのではないか?
と思わされる光景だった。
あの妻の苦しみがそのまま自分に降りかかってくる事を考えると耐えようもなく、そして何よりその苦しむ様を見る事が1番心に突き刺さる。
何よりも考えるべき項目だった様に思う。
これが2番目に思った事。
妻は笑顔で…
「いやぁ。もういいわぁ〜(笑)」
と言っていた。
そうして僕の息子は生まれた。
また後日語ろうとは思うが、トラブルもあり、まだ時間はかかりそうだが共に乗り越えていきたいと思う。
こうして苦しみながらも僕ら2人の思いを背負い、生み出してくれた妻。
今度は我々が助ける番ですね。
そうして、僕は今日も…
色んな事を感じながら元気に髪を切っている。
「L字型の指のシビレ」と息子の誕生と妻の頑張りを感じながらまた新たな感性で。
「今日くらい休んだら?」と言ってくださる方もいるのですが、それが妻も望んだ事なので。
もちろん影響など出しません。
プロですから。
こうしてまた新たなストーリーを連ねていきたい2015 11月。
皆さん沢山のエールをありがとうございました。
Category : コラム